介護というのはいつか全ての人々が向き合わなければならない課題です。そのため健康寿命を伸ばそうと国や企業が介護予防事業に取り掛かっています。しかしながら多くの一般の人々にとっては介護というのは、どこか他人事に感じてしまいがちです。それが、介護予防のための活動の妨げにもなっています。ここでは介護予防の課題を二つほど挙げていきます。
一つ目は中高年の人々の介護予防事業への参加人数の少なさです。介護予防をより多くの人を対象に成功させるには、中高年層の参加が不可欠です。高齢の人々は筋肉や体力の衰えから、参加することを億劫だと考えたり物理的に難しかったりします。また、中年層の人々は、日常生活の忙しさから、参加できない場合も多くあります。これらの事由は、地方自治体などが行う介護予防事業の参加率を大きく下げている一つの課題です。
二つ目は、介護予防という言葉自体の認知度の低さです。介護というのは、身近にない限りいつか直面するのかもしれない未来に過ぎません。そのためどれだけメディアで問題として取り上げられようとも他人事としてしか認識されないのです。そのような状況下では要介護にならないために不可欠な介護予防の大切さが伝わるはずもありません。
これらの課題の解決方法として必要なのは、介護はどんな人でもいつかは直面する現実であるという認識です。要介護になる人々にも多種多様な理由があります。ですが、一部の人々は要介護になることを介護予防で防げたかもしれないのです。これからの高齢化社会で健康に生きていくために介護予防は、必要不可欠な手段です。